日本チェス界の絶望的な排外性

囲碁、将棋だけでなくチェスも愛好する、数少ない日本人であると自負している70歳の老人です。チェスは崇高な芸術であると考えている私は、日本チェス界には主要な問題が二つ有ると考えています。
最大の問題はチェス技量向上に全く関心が無い事、2番目は特に将棋界に対して凄まじい憎悪の感情を持っている事です。

欧米文化に憧れるのは仕方無いとしても、マイナー文化として放置せずに、世界一流を目指すのが当然の目標であるべきです。
例えば、フェンシングは剣道と比較しても競技人口は極めて微々たるものですが、オリンピックでメダルを取れるほどの努力を続けています。
ましてや、ボードゲームは完全に頭脳のみの世界であり、知的水準が極めて高い日本人にとっては、最も得意分野である筈です。
どんなスポーツ団体でも芸術組織でも学術分野でも、レベル向上が最大の目標であり、一流と呼ばれる日本の団体、個人は数多く存在します。

ところが日本チェス界に目を転じると、日本にチェスが伝播されて数十年が経過していますが、FIDEの国別レイティングでも明白な様に、世界第100位前後という惨憺たる有様です。日本よりも遥かに遅れた経済後進国にも負け続けている現実を、日本チェス界の方々は、どのように弁明するのでしょうか?
チェス強豪国への留学、高度な指南書の普及などを拒否して、数少ない愛好者間でのみ競技しても、技量向上する筈が有りません。

しかし、技量向上しない最大の原因は、将棋界に対する凄まじい憎悪の感情であると思います。東公平有田謙二の著作、言動を分析すると、チェスに対する情熱は皆無であり、将棋界への罵詈雑言が目的化していると感じます。
2009年4月の将棋名人戦における東公平の侮辱行為が象徴的ですが、こんな行為をする限り、日本チェス界に未来は有りません。

そもそも、囲碁、将棋の愛好者は、殆どチェスに無関心であり、チェスの基本的ルール、運営方法、日本チェス界の技量レベルさえ全く知りません。
欧米文化を知らず日本文化しか知らない日本人に対して優越感を持つ事だけで、日本チェス界は満足しているとしか思えません。
趣味、道楽以下のレベルであっても、先進的な欧米文化を理解していると自画自賛しているのでしょう。

50年以上も昔の話ですが、カルポフ対コルチノイの世界戦での、コルチノイに対するソ連当局の陰湿な妨害工作は、あまりにも有名です。当時、日本チェス協会幹部(故人)に電話で問い合わせた事がありますが、まるでソ連当局者のようにコルチノイを非難するのを聞いて、背筋が寒くなりました。
また、14年ほど前ですが、ある将棋ブログの中で、チェスの運営方法について疑問を呈したところ、「KERES65」という日本チェス界の有名人から「日本チェス界と将棋界の相互理解は不要である」と一蹴されて、唖然としました。

悪名高いJCAについては論評も不要ですが、日本チェス界の状況を知れば知るほど、日本チェス界の技量向上は絶望的であると感じています。